パパも主体的に子育てする時代へ|男性育休50.9%と夫婦で分担する共育の方法

2025年度の男性育休取得率50.9%、産後パパ育休と給付、2025年の柔軟な働き方の制度、見えない家事を含む夫婦の育児分担を17項目と3表で解説します。

育児は「ママの仕事」ではなく家族で担うもの

子育てを母親が中心に行い、父親は仕事をするという決まった役割は、すべての家庭に当てはまりません。食事、睡眠、清潔、安全、遊び、教育、子どもの気持ちを受け止めることには、複数の養育者が主体的に関わることができます。

家事育児を毎日正確に半分ずつ分けなければならないわけではありません。大切なのは実際の行動だけでなく、予定を考える、必要なものに気づく、最後まで対応するといった責任も一人に偏らせないことです。

パパの参加は妊娠中から始められる

妊婦健診への同行、両親学級への参加、出産や乳児の世話について学ぶことは、子どもが生まれる前からできる準備です。ただし健診への付き添いも含め、妊娠している人本人の気持ちやプライバシー、選択を尊重する必要があります。

出産予定日だけでなく、緊急連絡先、病院までの移動手段、かかる費用、休業の予定なども話し合いましょう。二人が情報を共有することで、産後に一人だけがすべてを調べて決める負担を減らせます。

出産準備の買い物と段取りを分担する

赤ちゃんの安全な寝床、授乳用品、退院時の移動、出生後の手続きや頼れる支援を事前に整理しましょう。一方が情報収集を担当し、もう一方が費用や必要性を調べるなど、作業を分けて相談できます。

買い物をたくさんすれば育児参加ができているとは限りません。担当した人が調査、手配、確認までを進め、相手に毎回指示を求めないことが産後の負担軽減にもつながります。

男性育休の取得率は50%を超えた

厚生労働省の雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は2024年度調査で40.5%、2025年度調査で50.9%と報告されています。女性の取得率はそれぞれ86.6%、88.3%です。

これは調査対象の労働者が休業を取得した割合であり、家庭内での実際の育児時間や負担の公平さを直接測る数字ではありません。男性の取得が増えた一方で、仕事や雇用形態などによる利用のしにくさは家庭ごとに異なります。

男性育休の取得率は50%を超えた
厚生労働省の調査男性の育休取得率女性の育休取得率
2024年度40.5%86.6%
2025年度50.9%88.3%

日本の育休制度を整理する

日本の制度には通常の育児休業、出生後8週間の産後パパ育休、両親が取得する場合のパパ・ママ育休プラスなどがあります。それぞれ対象、休業できる期間、申し出の手続きが違います。

雇用契約や雇用保険の加入状況によって休業・給付の条件が変わることがあります。表は厚生労働省の案内に基づく全体像です。具体的な取得計画は人事担当者やハローワークなどで確認してください。

日本の育休制度を整理する
日本の制度主な内容確認事項
育児休業原則として子どもが1歳になるまで、延長の例外あり就業状況や申出手続き。
産後パパ育休出生後8週間に最大28日、2回に分割可契約と会社への申出期限。
パパ・ママ育休プラス要件を満たす場合に1歳2か月までの枠各人が14か月休める意味ではない。
出生後休業支援給付金条件次第で賃金基礎額の約13%を最大28日加算双方の取得日数や雇用保険。
2025年10月の柔軟な働き方3歳から小学校就学前の対象者に会社が5措置中2つ以上用意会社が導入した選択肢と適用条件。
子の看護等休暇小学校3年生まで、通常年5日、子2人以上で10日対象となる理由と申請方法。

産後パパ育休は最大28日、2回まで分割可能

産後パパ育休(出生時育児休業)は、子どもが生まれてから8週間以内に通算4週間、28日まで取得でき、2回まで分けられる制度です。通常の育児休業とは別の仕組みなので、家族の状況に応じて計画できます。

原則として開始予定日の2週間前までに会社へ申し出る必要がありますが、労使協定などによって扱いが異なることがあります。出産時期には変動もあるため、必要書類と社内の連絡先を早めに調べておきましょう。

育休中の給付率67%と追加13%の条件

一定の要件を満たす雇用保険の加入者は、出生時育児休業給付金として賃金日額の約67%に相当する給付を受けられます。2025年には、一定の条件で最大28日分に約13%相当が加わる出生後休業支援給付金も始まりました。

両親がそれぞれ14日以上休業することなどが条件となる場合があり、例外規定もあります。合算で給付率が80%になるケースもありますが、誰でも給与の手取りが必ず80%支給されるという意味ではありません。上限や審査は個別に確認してください。

2025年10月から柔軟な働き方の制度が拡充

2025年10月1日から、3歳から小学校入学前の子を養育する労働者に対し、会社は始業時刻の変更、テレワーク、保育サービスの便宜、養育両立支援休暇、短時間勤務の5種類から2つ以上の措置を用意する必要があります。

労働者は会社が導入した措置から一つを選んで利用できる仕組みで、すべての会社に5種類すべての導入が義務づけられているわけではありません。会社による個別周知や意向確認の仕組みも含め、就業規則を確認しましょう。

「手伝う」よりも担当者として最後まで行う

おむつが残り少ないと気づいて買い足す、健診の予定を確認して予約する、保育園の連絡に対応するといったことまで、自分で考えて動く姿勢が大切です。指示された瞬間だけ作業するのと、責任を引き受けるのでは負担が異なります。

例えば予防接種の担当なら、時期を調べ、予約を取り、持ち物を用意して受診し、その後の予定を確認するまでが一連の仕事です。こうした見えない段取りを片方だけに任せないことが、協力の実感につながります。

家事と育児の分担を表にしてみる

育児には授乳、着替え、寝かしつけなどの直接的な世話のほか、用品の在庫管理、通院の予約、保育園への連絡などの段取りがあります。担当者と代わりに対応できる人を決めると、抜け漏れが減りやすくなります。

次の表は相談を始めるための例であり、性別によって向き不向きを決めるものではありません。一人しかできない行為があっても、もう一人は準備、片付け、買い物などを担うことができます。

家事と育児の分担を表にしてみる
家事・育児の分野担当が行うこと分け方の一例
授乳・食事準備、記録、片付け、補充授乳方法に合わせて役割を交代。
おむつ・入浴用品を確認して世話と片付け時間帯ごとに担当を決める。
寝かしつけ睡眠準備と夜間の対応双方の休息時間を確保。
通院・予防接種予約、書類、受診、次回確認一連の流れを担当する。
園や学校送迎、連絡、行事、面談勤務時間に合わせて交代。
洗濯・買い物不足を確認して購入・整理頼まれる前に対応する。
食事・家事献立、買い物、調理、片付け回復や仕事の状況で調整。
家計・手続き費用、助成、保険、必要書類情報を共有して管理。

夜間の世話と授乳を支え合う

赤ちゃんの授乳や睡眠は月齢によって変化します。母乳育児の場合も、パートナーはおむつ替え、寝かしつけ、水分や食事の準備、家事などを分担できます。ミルクを使う場合は調乳や器具の洗浄についても安全に対応しましょう。

睡眠不足を我慢比べにしないことが重要です。乳児の安全な睡眠環境を守り、抱っこしたままソファや椅子で寝落ちしないよう気を付け、疲労が強いときは家族や地域の支援を頼りましょう。

見えない家事や段取りも育児の一部

予防接種の時期を覚える、園の提出物を確認する、日用品の不足に気づく、家計を管理するなどの仕事は、周囲から見えにくくても時間と集中力が必要です。実際の家事をしていても、その管理をすべて相手に任せている場合があります。

共有カレンダーや簡単な担当表を使い、持ち場を決めた人が期限を確認して完了まで進める仕組みにすると便利です。すべての予定を一人が覚えて催促する状態を見直しましょう。

パパの関わりが子どもにもたらす可能性

父親が温かく継続的に関わることと、親子の愛着、社会性、情緒面の発達などとの関連を報告する研究があります。ただし子どもの発達には、関わりの質、家庭環境、ほかの養育者との関係など多くの要因が影響します。

観察研究が多いため、父親が育児時間を増やせば必ず成績が上がる、問題行動がなくなるなどと断定することはできません。子どもが安心できる応答、会話、遊び、日常的な世話を続けることが大切です。

産後の回復と夫婦それぞれの心の健康

出産後には体の回復、睡眠不足、授乳や食事の負担、気持ちの変化が重なることがあります。パートナーが食事、家事、上の子の世話、通院などを主体的に引き受けることで、休息と必要なケアの時間を確保しやすくなります。

育児に関わる人は誰でも不安や心身の不調を経験する可能性があります。気分の落ち込みや強い疲労が続く場合は、医療機関や地域の相談窓口を利用してください。助け合いは完璧な育児を競うことではありません。

負担を責めずに話し合う工夫

どちらが今日一番頑張ったかを競うのではなく、睡眠時間、仕事の予定、継続的な担当業務、忘れがちな家事を確認しましょう。週に一度短く話すだけでも、子どもの成長や仕事の変化に合わせて分担を見直せます。

「今日は代わってほしい」と言える関係を作ることが重要です。話し合いが難しい場合は、信頼できる親族、地域の子育て支援や専門家などを頼る方法もあります。

家族の形は一つではない

子どもを育てるのは父母がそろった家庭だけではありません。ひとり親、祖父母、養親、親族など多様な人が養育を担います。子どもに必要なのは、信頼できる大人からの継続した安全なケアと支援です。

ここで紹介した考え方は、主な養育者と支援者との役割分担にも応用できます。地域の保育サービス、勤務先の制度、親族の助けなどを組み合わせ、特定の家族像に無理に合わせる必要はありません。

今週から始める共育の小さな計画

まず普段の家事・育児を書き出し、誰が実行し、誰が段取りを管理しているか確認します。数項目だけでも担当を最後まで移し、休憩時間と必要な連絡先を共有することから始めましょう。

休業制度の利用条件と勤務先のルールを確認し、生活が変わったら分担も更新します。厚生労働省の統計と制度は時点によって変わるため、最新情報を参照しながら家庭に合った方法を作ってください。

数値は厚生労働省の2024・2025年度雇用均等基本調査に基づきます。制度の説明は2026年10月時点で確認した厚生労働省の案内を参照しています。個別の資格や給付額は雇用形態などに左右され、必ず関係窓口へ確認してください。